系統地理学の分野では、ミトコンドリアの各ハプロタイプの関係をネットワークで表現することがあります。ネットワークの作成によく使われるソフトとしてはTCS(http://bioresearch.byu.edu/tcs/)がありますが、きれいな図をつくるために色をつけるといったことはできません。
ここではPopART(http://popart.otago.ac.nz/documentation.shtml)を用いたネットワーク解析の手順を紹介します。
まずインプットファイルとしてNexus形式のアラメントデータを準備します。すでにFasta形式のデータがあればMEGA(https://www.megasoftware.net)などで簡単に変換できます。
続いてPopARTのアイコンをダブルクリックして起動します。場所は研究室のWindowsパソコンの「デスクトップ」 > 「Phylogenetic_Analyses_TOOLs」 > 「popart-1.7」フォルダの中です。
起動後、画面左上の「nex」と書かれたアイコンをクリックしてインプットファイルを選択してください。うまくいけば画面左下に「Loaded file (ファイル名)」と表示されるはずです。この状態で左のパネルの「Data Viewer」の下にある「Alignment」タブを開くとインプットした配列を見ることができます。
ファイルのインプットが終わったらネットワーク解析に移ります。画面上の「Network」から解析に用いる手法を選ぶことができます。ここでは左下の「TCS Network」を選択します。作成されたネットワークは以下のようになります。
各円がハプロタイプで、それぞれがネットワーク状に繋がっているのがわかるかと思います。ハプロタイプを繋ぐ枝の上にある棒の数はハプロタイプ間で異なる塩基の数です。ちなみに、「Statistics」から塩基多様度などの指標を出力することも可能です。解析自体は以上で終了ですが、PopARTではネットワークを好みに合わせて編集することができます。円の色を変えるには、「Edit」 > 「Set default vertex color」をクリックします。「Edit」 > 「Set default vertex size」では円のサイズを変更することができます。また、ネットワークの形そのものは直接円をドラッグ&ドロップすることで変えることができます。好みの図ができたら「File」 > 「Export graphics」から保存しましょう。PopARTの一通りの使い方は以上です。